地味に仕事中。。

 

『つながる家+つなげる家』も終盤にさしかかろうとしています。。
いろんな手配が山ほどあって忙しい~

現場に行くと、何やら左官さんたちが、寒風吹きさらすなか地味に何かをやっています。
ん~竹に麻を巻き付ける作業。
ん~、、、、地味!

今回はチリ廻りの隙を出来る限り食い止めるために、一手間を施すことに
始めて見る作業内容です。
よくトンボは見ますが、この竹にヒラヒラが付いた物は始めて。
どうやら矢野左官さんのお祖父さんがされていた手法らしいです。

それにしても麻縄を一つ一つ竹に結びつけていく作業は、気の遠くなる作業・・。
ん~それでもトンボよりは、まだ楽らしいですが。
トンボは釘一本一本に、麻縄を一つ一つ結びつけていくから、さらに手間がかかる。
そう言われればそうです。
今の時代、既製品でありそうなものですが・・。(既製品に寒冷紗テープがありますが、アレはなんだかとっても味気ないです・・
この手近にある材料を使って、自らで生み出すというのが矢野左官さんの素晴らしいところで、AA STUDIOが惚れ込んでいるところ
今時、こんな左官さんいませんよ。
すべてが既製品のオンパレードです。


若い私達にとってはこういった手で生み出す昔ながらの方法というものを一つ一つ見るという事が勉強になります。設計者にとっては最高の学びです。現場に学び、職人に学ぶのです。。
貴重な機会を、、『つながる家+つなげる家』の建て主さんありがとう~
いつもながら建て主さんにはとても恵まれていますね。。

全てが人の手によって生み出されるというのが昔ながらの家づくりの大きな根っこでもあります。
そこには先人たちが試行錯誤した結果の智恵が見られます。
ん~素晴らしい

それにしてもあんまりにも寒風が吹きつける中で地味仕事をやっているので、2階の部屋でやったらどうかな?と提案しました。さっそく皆、移動。

ほら、2階は暖か。風がないので、麻も結びやすい
地味な下ごしらえがあってこその左官仕事です。
棕櫚を解いたりするのも、気の遠くなるような地味仕事ですね。
今の効率主義の社会から言うと、完全に対局の世界に位置します。
すべてが時間のなかで生み出されていく左官仕事、かたや時間を極限まで切りつめていく今の社会の仕事。私は前者の左官仕事が好きだな。そこには人間的な時間を感じますね。
後者はきっとドンドンと人を切り捨てて、または人を機械的に使っていくやり方になっていきます。そんな社会に人間味はありませんよね。

こういったコツコツと時間をかける仕事が評価され、まわっていけれる社会になる時こそ、社会が本当の意味で成熟した時なんだろうな~と思います。。


柱や桁の際に打ちつけ、中塗り土を塗りこめていきます。

地味仕事、好きだな~。
いつもながら矢野さんにはいつまでも元気で頑張って欲しいものです

関連記事

PAGE TOP