土の床、たたき。。

 

『つながる家+つなげる家』も、今はいろんな職種の職人さんがはいって目まぐるしく現場も変わっていく時期。玄関の床もそろそろ工事です。

定番になりつつある、いつもの柔らかく優しい土の床でいきます。
木と土の家づくりには、やっぱり土の床、たたきが良く似合います~
以前は、豆砂利洗い出しやタイル貼りを使っていたんだけど、雰囲気が固いんだよね・・。
豆砂利洗い出しはセメントの硬さがあって・・、タイルも焼き物がゆえに固い雰囲気。物によっては均一すぎる・・。
土をたたき締めたタタキの柔らかさ優しさは、タタキにしか出せない風合い
この風合いが、なんとも言えず飽きのこない風合いなのです。。

タタキ土間には適度な調湿性があって、食品保存にはもって来い
そう、昔は土間に、芋類などをよく転がしていたんだよね。
土付きの野菜にも馴染みがいいのが土間だし。
夏の暑い最中、ヒンヤリと涼しい土でできた土間が、食品をもたせるには絶好の場でもあるんだ。

こういった気化冷却の働きをうむ良い土間をつくるためには、隠れた工夫が必要
それは土間の部分にはコンクリートを打たないという事。
これは土の土間をつくるための不可欠要素でもあるんだ。

適度な湿り気が地面から土間に伝わることで、土間が長持ちをするんだ。
コンクリートを打ってしまうと、地面と土間は遮断されて、土の床が次第に乾燥してしまって、割れやすくなったり、剥がれやすくなったり、埃っぽくなったりするんだよね。
適度な湿り気があがってきてくれる事で、いつもしっとりとした表情を保って、土の割れを防ぐんだって。そしてその湿気が気化する際に、気化冷却の働きによって、ヒンヤリした空気を生み出すという訳。う~ん、自然の摂理をうまく利用したのが土の床ということを感じるね。。

このヒンヤリ効果を利用して、玄関だけでなく、食品庫を土間に設けました~
現代の家は、蒸し暑い家。食品が過発酵しすぎたり、腐りやすく、日持ちをしない家だと思う
冷蔵庫・エアコンだよりの家だよね。
でも昔ながらの家は、生きることが良く練り込まれた家づくり。
そのなかで食の保存はもっとも大きな先人たちのテーマだったと思う。
だから昔ながらの家には、食を保存したり加工したりするための術が織り込まれているんだ

『つながる家+つなげる家』の建て主さんとは、一緒に味噌づくりを何度となくやってきて、食べ物をしっかりと保存できる場所が欲しいね~という想いがあって、今回、土間に食品をストックできる場をもうけることになったんだ。
ん~いまから楽しみ!

昔ながらの家づくりの良さは、構造や素材だけでなく、こいった生きていくために先人たちが遺した暮らしの智恵がそこにあることだと思う
実は、それがもっともこれからの時代、問われる住まいではないかなと思うところ。。

左官さんがパンパンと土をたたき締めている。
木づちで叩くというローテクな技術。


素材は現場で、目の前で練られます。
土・砂利・にがり・石灰・水
ただそれだけ。ただそれだけというのが心地いい
そこには身体を悪くするような物も、環境を壊していく物も、ないから。
だから心地いい。。

柔らかく優しいって、、
きっと見た目ではない優しさや心地よさが溢れているんだろうな。っとふと思った。
母なる大地の優しい、すべてを生かすふところがそこにあるんだ
ん~だから惹かれる訳。
やっぱ、やめられません。

叩いて、コテで綺麗に均して、出来上がり~
いえいえ・・瞬時に乾かすのは、御法度
養生をして、数週間、じっくりと水分がぬけるのを待ちます。


このじっくりさ加減もいい感じ。。
ローテクでスローな床、素敵だと思いませんか

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