ピクチャーブックライブラリーくらら*open!

 

昨日は、この一年と2ヶ月ずっと関わらせていただきました三津の蔵改修+新築小屋である私設図書館『ピクチャーブックライブラリーくらら』のオープンセレモニーでした。
待ちにまったオープンには地元地域の方々がたくさん駆けつけ、また工事中ボランティアでお手伝いに来てくれました学生さんやくららを支える方達や、目に見えない難ある蔵改修に携わってくれた大工の藤井さんや、助成事業でお世話になった市担当者さんの姿もあり、みんなで『くらら』のオープンをお祝いしました。
会場にはゲストでデブ猫ちゃんも登場!
蔵から出てくるデブ猫ちゃんの姿がわたし的には一番に、可愛くハマってしまいました。

今にも崩れかけそうな蔵を見て、このまま朽ちていくには忍びないと手を差し伸べ、地域地元のために助成の助けをいただきつつベースは自己資金で、この場所を地域に開放された場づくりとして構想を描かれた川瀬さん。
この日の賑わいをみて、彼女の想いがいま形となってここ『くらら』で動き始めたことを感じ、関わらせていただきました事を誇りに思い嬉しく感じました。。

屋根に大穴が開いた蔵と新設小屋の工事、彼女の想いを受けて、どちらも安易なその場かぎりのつくりにはしたくなく、限られる予算のなかで最大限の事をさせていただきましたが、ご無理を言いつつ、大工の藤井さんや今は亡き矢野左官さんの助けをいただき、なんとか形にすることが出来ました。
蔵はモルタルなど使わずきちんとした伝統的な手法で漆喰大壁を修復。
ここも疎かにしてしまうと短年はもっても長くはもたず、すぐにやり替えが必要になるとの事で、見た目は変わらずともきちんとした伝統的な手法で大壁を再生していただくことにしました。
パッと見だけの古民家再生モドキではなく、こういった一つ一つきちんと伝統的なものを残して使っていくことが本当の繋いでいくことであり、愛着が沸いていく古民家再生となっていきます。



新設小屋のほうは、松山初の準防火地域での板倉工法。
こちらも、蔵と共に味わいが増して、地域に馴染み長く愛されていくための素材であって欲しい。
そしてゴミとならず健康を害さない素材であることが第一、工期が短い+予算が少しとなると、板倉となりました。
松山では初の板倉で準防火地域であり、外壁や素材は全て木!そしてすべての開口が木製という事もあって、法的には初の事例ばかりで容易に審査は通してはくれない手間取る案件でしたが、良い物づくりに産みの苦しみは付き物です♪
わたし設計者としても想いがあって出来た『くらら』です。
何ごともワンステップアップしていく場があるという事と想いを形にしていくことが、物づくりではお金以上に大切なこと。野の草としても、たくさん勉強させていただき、役所的にもこれで道筋が出来たので、次の人からは審査がもっとスムーズでしょう。これが報酬みたいなものです。



三津の界隈に温かみのある空間がひとつ造れたことが、喜び♪
小さな小屋のような建物だけど、板倉の温かい空気感に優しく包まれて、子供にとっても大人にとっても居座ってしまいたいような心地いい場です。
絵本や懐かしい漫画などがたくさんあって、しかも施設利用は無料です。
近くには田中戸さんがあって珈琲も注文できそうだし、ここは本当にずっと根っこが生えそうな場です♪
これからずっと地域に愛されていくことを想像すると、わくわくします。

三津は、『木村邸』『鈴木邸』と、これで3軒目。
なんだかもう離れられない親しみのわく場所です。
お仕事をさせていただき、そしてご縁をくださった皆さま、工事でお世話になった方々、本当にどうもありがとうございました。
これから『くらら』を可愛がってあげてください。どうぞ宜しくお願いします♪


 

関連記事

PAGE TOP