昔ながらで基礎をつくる!

 

昔ながらの基礎と言ってもその方法は千差万別です。
その土地の地盤の状況や基礎にかけられる金額的なものも考慮して総合的に判断していかなければいけません。
今回は45cm~60cmも掘れば安定した支持層が得られるので、あとはその支持層と礎石までの人工的な層を如何にして頑丈にしていくか。浅い位置に支持層があるだけに比較的やりやすいほうでありました。


↑建て主さんも栗石工事に参加

検討を重ねた結果、栗石の小端立てをおこないつつ、なおその栗石同士が固まり合って一つとなるように、目潰し砂利として生石灰を利用して版築土を詰めて突き固めることにしました。生石灰を利用して版築的に栗石ごと固まってくれれば、なおこれ以上の安心はないと考えたから!
使用する砂利や土の種類や石灰の配合や突き固め方など、ここに至るまで裏方で何度か施工を重ねてベストを探っていましたが、金銭的なことを抜きにこういった検証にお付き合い下さるお方が、野の草を支えてくださっているので良い物づくりに向き合えます♪

今時、栗石を小端立てにする現場など見ることがなくなってしまいました(汗)
敷き並べる時間と手間がとても掛かるから。(←これはやってみてかなり実感)
ベタ基礎が一般的になってから、栗石も使うことが少なくなってそのほとんどは砕石に変わってしまいました。もちろんその方がスピーディーに基礎が出来上がります。

さて、栗石を縦に小端立てしつつ、玄翁で栗石が転ばないように地盤に突き固めていきます。こうする事で堅い地盤をさらに突き固めることになります。
栗石がこれ以上は埋まらないというぐらい突き固めて出来あがりとしました!
家の荷重や、衝撃がやってきても、容易に崩れたり沈んだりしないように。
精一杯で出来る事をしていきます。

見ていて綺麗です。
真に価値のあるものは放つ美しさがあると感じます。
内側から発せられるエネルギーのようなもの。
きっと長くもちこたえてくれる基礎となってくれるはず♪

後で、柔らかい地盤の上で砂利を敷いて突き固めてみましたが、砂利を幾度追加しても砂利が沈下していくだけで突き固まった感がありませんでした(汗)
一方栗石の場合、小端立てにすることで沈下を抑制する効果があるように感じました。
こうやって一つ一つ体験しながらやっていくと先人たちが残した真の仕事の意味というものに気がついていくのです。
先人たちが残してくれた宝ものを拾い集めながらの昔ながらの作業です♪

そして敷き並べた栗石の隙間に、改良版築土を目潰し材としてランマーで締め固めました。
締め固められた版築土はすでにカチカチですが、この後さらに石灰の化学的反応で硬化していく事になるので、さらなる安心材料となります。
こうやって固められた地盤。
ちょっと栗石が出っ張っていて叩き込んでも沈まない動かない、何度も叩いてやっと割れて砕けるしかない様子をみると、少々のことではビクともしない基礎ベースの出来上がりを感じさせます!

まだ基礎ベースに過ぎませんが、やり尽くした感!
やれる精一杯をやり尽くし、これ以上に尽くす手はないといった感じ。
さて昔ながらの基礎づくりは次なる工程へ!

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