かぐわしい薫り?

 

 さあ、荒壁工事(表塗り)が始まりました。
現場はかぐわしい例の薫り。。。

そう、1年寝かせた熟成荒壁土の薫りです。
泥クサイ薫り。
きっと始めての方は、このニオイに驚かれるだろう。
私にとっては、もうこの泥の薫りは、かぐわしい薫りとなりました。

寝かせて熟成させた荒壁土は、泥土がよく締まっていて、割れにくく透きにくい(隙間が出来にくい)壁となります。
そもそもこのネズミ色の壁土も、寝かせる前は、赤土色でした。それが寝かせることで色も変わって、中の藁も完全に分解され、残るは髪の毛のような藁の繊維のみとなります。この無数の藁の繊維が、泥土にからまって割れにくく強度のある壁とします。寝かせることで土が締まるという作用も、密度がつまった壁になるという事を意味し、強度にも影響していきます。


この独得の薫りは微生物・菌たちの働きによるものです。
発酵しているということ。寝かせている時は、ぶくぶくと泡がでてきて、生きているという感じです。
さながら天然酵母やドブロクづくりと似ています。。日本の文化は、まさに発酵文化です。。
菌たちの作用によって、強く割れにくい雨にも曝されにくい壁となっていく。
ありがたい事です。。

じっくりと時間をかけて寝かせるという事の、意味。
味噌も醤油も酒も酢もみりんも漬け物も、そして住まいも、
日本の物づくりにとって、寝かせる『時間』はかかせない意味のあるものという事が伺えます。
菌たちの働きによって、美味しい、身体に優しい健康食(健康家?)となるからです。
菌たちを生かすことで、私たちも生かされる。。

昔ながらの家づくりから言うと、時間をかけず手間をかけずして効率をあげてきた現代の物づくりは真逆と言えます。現代の味噌や醤油や漬け物たちが、身体にとって滋養どころか、むしろ身体に悪い添加物の固まりになってしまったのと同じように、住まいにも同じ構図をみるようです。。

『手間』と『時間』、ここに和の国の善き物づくりがあること、声を大にして言いたいと思います。。
『手間』は愛情、『時間』は自然に寄り添うという事。
確かに・・現代の家づくりはココが抜けているような気が・・。

時間をかけつつ、菌たちの手をかりて出来上がっていく壁。
そう思うと、なんだかこの泥臭い薫りも、かぐわしいイイ薫りに感じてきませんか。。

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