山のことを感じる木材検品。。

 

いろんな報告が山ほどあって追いつきません。。

『風薫る家』も、建て主さん大工さんと一緒に、山に木材の検品に行ってきました。
こういった一つ一つの過程を大切にしたいところ。またこういった過程をとおして大工さんと建て主さんの関係が深まっていけばと願うところ。。

原木は4月には山からすでに降りてきており、梁材等は製材がされていました。
とっても立派な材ばかり。
製材屋さんからは「AAさんの家づくりは、普通の3倍ほどの木材量がありますね」と言われてしまいました。確かに、5寸柱に5寸巾の梁なので、材積が大きくなります。また差し鴨居や差し敷居、足固め、大黒柱と言ったように、昔ながらの造りは一般的な在来工法が無くしてしまった部材も多い。大きな梁が幾重にもかかった昔ながらの家は建て前が終わると木の固まりのように見えます。それに比べ今時の家はマッチ棒で出来た家のように、あまりにも”か弱く”弱々しく、不安に思うぐらい。
いくら建築基準法の壁量がとれていても、想定外の地震には耐えられないな・・と強く感じてしまうのです・・。

製材さんも「こんな家ばかりだと、山側の暮らしも少しは楽になるんだけどね・・」っと言います。昔ながらの家づくりでは、家を100年200年ともたせていくために、まず第一に、良質な木材を使っていきます。だから木材の準備もじっくりです。
今のどんどん回していかなければいけない家づくりは、安普請一辺倒で、木材へのこだわりは全くありません。たまに「B級品でいいから安く売ってくれ」という、製材屋さんも使わないような木材を買っていく住宅メーカーもいるとか・・。
しかしそんな仕事は、働けども働けども暮らしは楽にはならず。それにそこには製材屋としての喜びがないでしょうね・・。

50年生きた材を使って、30年しかもたない家づくりをする。山はすぐにハゲ山になります。
それにせっかく大事に育てた木も、ボードで隠されて見えなくなる造り。そりゃあ、大工さんも製材屋さんもやり甲斐がなくなるでしょう・・。
80年の材を使って100年200年もたせる家づくりをしていくこと、職人たちが自信をもって喜びをもってできる家づくりをしていくこと、それが問われているようです。。

さあ木材検品も終わり、私たちは近場の温泉に立ち寄りました。こういったのもお楽しみ。
お風呂のなかで、建て主さんと家のエネルギー問題や庭のことなどを語りました。。
ひとつひとつを楽しみながら、人生を楽しみながら、スローに家づくり。
温泉につかり、ますます建て主さん・大工さん・設計者も和みつつの木材検品ツアーとなりました。。

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