ハッピーバースデイ!

 

『誕生と成長の家』が完成してから一年を迎えました。
家が一歳の誕生日をむかえるので夕ご飯をご一緒しませんかという事で、久しぶりにお宅にお邪魔をしました。

家主Aさんは今進行中の『小さな本物の家』での結いによる石ハツリや竹小舞搔き、荒壁塗り、棕櫚解きなどいつもOBとして夫婦で手伝いに来てくれていて、昔ながらの家づくりを応援してくれています。
それはAさんだけの話ではなくOBさんたちがいつも何組か応援に駆けつけてくれる、そんな風景が普通にあります。一般的な家づくりだったら、きっとこんな関係は生まれないんだろうなあ~と、嬉しく思います。
こんな風に野の草の家づくりはいつも影ながら支えられている、、そう思うと、最初は夫婦二人で模索して歩み始めた昔ながらの家づくりも、もう二人ではないと言えますね。。

昔ながらの家づくりを始めたのが30歳台だった私たちも早50歳。
体力の衰えを感じる歳となってきましたが、こうやってエネルギーをいっぱい貰って逆に支えられていますから、まだまだ頑張っていかなくてはいけませんね!(笑)
そしてそれぞれのお宅がそれぞれの色を出しつつ、家族と共に育っていっている様子がまた愉しみでもあります。
『誕生と成長の家』も、力強く。

改良したり、工夫したりして住まわれている様子が何とも心強いし、設計者としては嬉しい。
完璧でないからこそ、観察をしたり手を入れてあげたりして、家と対話している家主さんに頼もしさを覚えるところ。それが自然の素材でできた家の良いところと言えますね。
対話のなかで自然を知ることができます。
なんだかAさんたち夫婦が一回り成長したように見えました。

この家での出来事や家づくりの思い出話などに花を咲かせながら頂くお酒はなんと言っても最高です~♪
住むごとに、この家の良さを深く染みるように感じるとの事を話してくれました。
関わってくれた大工さんたちの気遣いや職人さんたちの仕事ぶりに頭があがらないと。
そしてその分自分たちもこの家を大事にしていきたいと思っていると。

私も途中、トイレに立つたびごとに見る、
艶を放つような綺麗な木目の木材や丁寧な仕事、繊細な建具のつくりに、なんども感動させられるぐらいだから
ここに住まう家主の感動は・・
そして年月を経るごとに、自然の素材たちで出来た住まいは風合いが増してさらに良くなっている様子が、たまらなく綺麗で「やっぱり昔ながらの家はイイ家だなあ。」と設計者自らも、積みあがっていく確信となりました。

この頃はドブロクや発酵に関心があるようで、果樹を植えたり、小屋をつくったり、農的なことをしたりと興味がつきぬようでした。
Aさんたちにとって家づくりは人生におおきな影響を与えた転換点となったようです。
豊かさをみつめて一緒に歩んできた野の草としては何よりも嬉しく。
そして昔ながらの家づくりには、、人を豊かさにむかわせる不思議な力がそこにあるように感じます。

昔ながらの家づくりを始めたとき、一滴から波紋となって広がっていくことを夢に願ってきたけれど、ここ『誕生と成長の家』から新たな波紋が広がっていくような気がして、わくわくします。。
ハッピバースデイ!
これからもお誕生日が楽しみな野の草です。。

大切に家に手をかけている朝一番のAさんの光景

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