施主さん左官さん野の草みんなで可愛がって育ててきた熟成荒壁土が出来上がりました♪
感無量!
藁もすっかり髪の毛のような繊維質となり土と土に絡み合って、良い感じです。
こうやって寝かせて熟成させることで目にみえない時間のなかで、微生物たちや菌ちゃんがゆっくりと良いものに仕上げてくれます。
きっとそれは簡単に手間を抜いて樹脂的な繊維を添加してあっという間にそれ風の物をつくるよりも、何かそこには人知をこえたような恵みがあると感じてしまいます。
お味噌やお酒や漬物のように、この土壁もきっと♪
熟成荒壁土のせいか、このごろ建て主さんはすっかり発酵系や日本の伝統的な物づくりにハマっていっている様子、それにいろいろと考え方も。。
伝統構法という時間がかかる家づくりのなか、人も熟成されていっているという不思議。
伝統構法は自然との関わりそのものだから、自然とともにあった先人たちの生き方や暮らし方・価値観みたいなものに触れることができます。ちょっとそこは本当に美しいぐらいの気づきが山ほど。
持続循環していくための本当に当たり前なこと。人間都合ではイケナイ事。
やっぱり私も伝統構法にたくさん育てられたと言えます😊
そして左官さんが「この荒壁土、すごいよっ」と驚いていました。
熟成土のなかに足を踏み入れた際の長靴の泥が乾燥し、その泥を洗い落とそうと思ったけど、なかなか落ちなかった!と。
「家が建っても、これなら雨に洗い落とされることのない本当に強い土壁だね!」と言われてました。
そう、熟成荒壁土につかう土は砂分が多い土ではまず駄目。それはいわゆるサクイ土。
寝かせるに相応しい良質な粘土質でなければ。だから土はわざわざ内子の土を運んで熟成させています。
いまはこういった粘土質の土がなかなか手に入らない時代で、採れるのはごく一部。
内子の矢野左官さんも一番にこの土質の難しさをいつも語っていて苦労されていました🤔
素人が見ると、土はどんなものでも土って思うかもしれないけど、そこが肝心な奥が深い左官の仕事。
大工さんが木を選ぶように、左官さんは土を選ぶ、ということですね。
写真左(粘土分がある土)、写真右(砂分の多い土)
↑水をかけるとサラサラ流れてしまうのが砂質の土
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