手間がかかってます!

 

『風薫る家』のその後です。。
荒壁仕事・床の土断熱も入れ終わり、大工工事が始まってます。
窓枠となる木製枠の取り付けにはいりました。

今回、大開口になる窓は、鴨居・敷居の長さは6m!
若い大工さん二人、設計者が書いた図面とにらめっこしながらやってくれています。
既製品はポンとはめれば簡単に取り付けられますが、木枠は組み立ての手順を誤ると納まりません。しかも難易度大の納まりです!

この長い鴨居に溝らしいものが、所々に掘ってあるのがその難易度大の納まり。
実は鴨居が反らないように反り止めとして蟻桟が鴨居の上部に納まるようになってます。
長い間で木が反って不具合ができるだけおこらないように・・と。

蟻桟は鴨居に吸い付くような造りにもなっております。
鴨居に掘った台形の溝に、蟻桟の凸凹がピッタリと合ってこそ効果あり。
大工さんの慎重かつ丁寧な仕事が要求されます。
もちろんこういった仕事はあまり今時の家づくりでは手間がかかるのでされません。
ありがたいことに棟梁の水木さんは手間うんぬんではなく、誠実に挑んでくれています。(感謝)
建て主さんにとっては何よりも有難いことではないかと思います。
今時、どうやったら手を抜けるか、どうやったら利益が得られるかを考えた家づくりが多い中、こういった誠実な仕事は見られなくなりました。
もちろん急かされる家づくりでは、こういった仕事は不可能と言えますので、建て主さん自身の「早く住みたい!」という欲求が、自分自身の住まいの価値を下げているともいえます。
長い年月が経った時に、しっかりとした仕事は、家の価値として現れてくることになります。

しかもその蟻桟は建物本体の構造と一体化しております。
上の写真は蟻桟が建物本体と一体になった様子。
ここに先ほどの6mの鴨居が蟻桟の凸凹にはまり込んできますので、さらに難易度大!
ほんの1mmでもどれか一つ桟の位置がずれていたら、鴨居は全く納まりません
しかも蟻桟の利き具合で、鴨居が入らなかったり、揺るすぎたりがあります。
この仕事の難しさが伺えるかと思います。
さて鴨居は納まるか?
若き大工、二人の力量さてさて、ここは見所ですね~

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