『ゆとりの家』建前3日目。。

 

『ゆとりの家』建前3日目になりました。今日はいよいよ上棟となりそうです
昨日の雨のおかげで休日の今日、ご主人さんも上棟をゆっくりと楽しむことができそうです
やっぱり建前の一瞬一瞬を心に刻んでほしい。骨組みが出来上がってからでは、見えなくなってしまう大工さんたちの仕事がそこにあります。

そして建前の最中は実は建て主さんにとっても仕事がいっぱい
大工さんたちの仕事ぶりをしっかりと目に焼き付けるとともに、ここまで頑張ってくれている大工さんたちに対して礼をつくすという建て主としての仕事があるのです。休憩中はお茶を出したりお菓子を出したり、昼の仕度をしたりと職人さんたちに心を遣うことです。職人さんたちの仕事に対する、建て主さんとしての礼儀。。

今の時代、お金のやり取りで家は建ちます。でもそこには心がありません。
施主だから・・とか、お金を出しているのだから・・ではなく、気持ちよく仕事をしてもらう事こそ、自分たちの家を最大限に良いものにしていくことに繋がっていきます。「施主だから・・お金を出しているのだから・・」そんな気持ちでいたらきっと職人は誰もお金以上の事はしてくれない。

「礼には礼をつくす」という事。そこには自分の利益だけでなくその利益は他者があってこそ得られるもの、という謙虚な気持ちがありました。昔の日本の良き心でもありますね。
お金だけで全てを解決するのではなく、目に見えないことに心を遣ったり、感謝していく、礼をつくすこと、人の心がかかわっていく家づくりでは色んな場面で必要とされることです。

桁がかかって小屋が少しずつ出来あがっていきます。屋根の形が少しずつ見えてくるのは本当にワクワクするところ

材と材が欠き合わされていかにも強そうです。

ここに一本の母屋がかかってきます。一本でも高さが間違っていれば当然合いませんから、職人さんはスゴイですね

そうやって徐々に小屋が組まれていき、ついに棟木が登場

ここまでがとても長かった建前です。せっかくの記念の時、建て主さんに掛矢をもって棟木を納めていただくことにしました。ずっと今まで職人さんたちの仕事を見守っていましたからね。最後は大工さんたちに協力をしてもらいながら自分たちの手で棟木を納めます。

えい!えい!えい!

自然と出てくる笑みがなんとも言えず良いですね
心にのこる思い出となったかな。。

すっかりと木の塊のようになりました。道行く人たちやご近所の人は、立ち止まって眺めていきます。
昔ながらの家づくりをしていると、いつも本当に関心をもってくれる人が多いですね。良き家づくりをしていればその周辺から何かが少しずつ変わっていきそうな予感
さてさて棟も無事にあがり、再度骨組みを締めなおし、込み栓を打っていきます。

込み栓を打つだけでもスゴイ量です!1日がかりです。
たかが木の栓と思われるかもしれないけど、木の栓は金物より優れもの!

それぞれの穴をほんの少しズラして彫っているので、込み栓を打つと、材と材が引き寄せられる事に。柱と土台、梁と柱、それぞれに材と材が引き寄せられて開いていた隙間が次第に締まっていく
金物は材と材をただとめるだけの用途だけど、込み栓を打つことで最後は骨組み全体が締まるようにして固まっていくことになります。込み栓をあまり使わない家づくりをされている設計者さんは、案外このことを知らない方が多いです


やっぱり先人たちが長い年月のなかで編み出してきた昔ながらの木の家はスゴイ
美しい日本の木の家、和の家には本物が放つ力があります。。

仕事が一段落して、棟梁にも安堵の表情がうかがえます。
最後に建て主さんより労をねぎらう言葉が交わされました。

ひとまず皆様おつかれさま
でも大工さんたちにとっては梅雨に突入して、雨仕舞いに気が許せない時。
さあ良き家づくりに励みましょ!

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