設計事例

『新居浜の家』

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伝統構法
設計:橋詰飛香
施工:小林建工

完成:2008年12月24日

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『新居浜の家』は野の草にとって、もっとも忘れがたい伝統構法での家づくりの足がかりとなった家です。
建て主さんの強い想いと野の草の想いがひとつとなって出来上がった家づくりとも言えます。
熟成土による土壁を実現させるために一緒に藁を集めたり土を寝かせたり、大工さんや畳屋さん探しをしたりと、多くの共同作業を共にし実現させた家です。
苦労も多かったけどその分喜びも大きかった家。子供たちも一緒になって家族みんなでつくった家です。その隅々にはたくさんの思い出が染みこんだ住まいと言えます。
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薪ストーブを配した吹き抜けのある食卓と台所。そして小上がりした居間となる二間続きの座敷はどことなく日本的です。
夏は南北に開かれた窓から海風を取り込み、冬は衣を一枚羽織るかのように障子で冷気を塞いで火で暖をとる暮らしです。南北に抜けた間取りは、夏と冬には自然と心地よい居場所をうみだします。
機械に依存した快適ではなく、寒すぎず暑すぎず無理なく暮らす昔ながらの知恵に見習った家のつくりです。

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高気密高断熱の住宅に疑問を感じてきた建て主さん。
日本の和の暮らしをみなおす畳のある居間に、四季の移り変わりや家の経年変化を肌で感じる住まい。そして自然に寄り添いながら暮らしていくための設えや風のとおる間取りなど、日本の住まいをみなおす提案に際して
「成長する庭の木々とあいまっていい味になる家。それを味として受け入れられる自分たちでありたい。」
自分たちが求める家づくりはここにあると腰を据えた建て主さんの言葉でした。
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家にはそのお宅の人となりがよく現れ空気として感じられます。
『新居浜の家』では、建て主さんを中心に職人さんや設計者が一緒になって友に手を取り合って造ることを楽しんだ家です。
そういった空気が家に現れ、その場にいるだけで和やかで平和な気持ちにさせてくれます。
伝統構法という高い技術を使い、先行きの見えない時間のなかで、おおらかに見守ってくれた建て主さんがいてこそ実現出来た家。
その優しい見守るような空気が、この住まいを心地よくさせているようです。
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