化学物資過敏症 キッチンリフォームその後のその後。。

 

さあ、キッチン台の搬入手
オール無垢材のキッチン台は、かなりの重量となり運ぶのが大変そう。
先日、大人買いをした山桜を使っての製作となったのでこの重さ。国産の山桜なんてなかなか手にはいらなくなってきましたから、Mさんはちょうどタイミングよくラッキーでした手
輸入材は原木で輸入されるときに薫蒸処理がされたりするので不安です。どういった所の材料か出所がつかめない分、安心と言えません。国産材でどういった製材所が原木から挽いているか分かれば不安な事も問いあわせできます。それは何よりの安心に繋がります。その上でもちろんMさんに材料は事前チェックをしていただいて材料を決めました。桜材は過敏症の方々にとっても楽な方が多いです。当初のブラックチェリー(輸入材)より山桜のほうが匂いがないことが私にも分かりましたもの。

引き出し内部も、杉材またはステンレスのワイヤーバスケットを使用しています。
用途に合わせて使い分けができるように。以前のメーカーキッチンより引き出しをたくさん増やして、収納量も倍増しています。メーカーキッチンでは大きな引き出しが3つあっただけ。この方が引き出しに使う金物量が圧倒的に節約できます。今回の引き出し数は8箇所。時には浅く時には深く、使勝手も考えてつくっております。400万近い大金をはたいてキッチンリフォームした挙句が化学物質過敏症+再リフォームです。Mさんには「あ~再リフォームして本当に良かった!」と思っていただける物に仕上げたいハート

機器類(フード・食洗機・コンロ・電気オーブン・照明器具)もいれてメーカーリフォームの2/3でお釣りが十分に帰ってくる本物素材のキッチンリフォームとなったはずです。今回キッチン台(背面の食器棚を含む)は100万円もいってませんので、どれだけちゃんとした手仕事はそんなに高くないと言うことがいえるか知ってもらいたいところ。今の時代、ちゃんとした仕事は決して高くないです。いえむしろ大きなメーカーさんと比べて安いのです。昔ながらの家づくりをしていて思うこと度々。
ここいつも指物仕事によって無垢でキッチン台をつくってもらっている職人さんからよく聞きます。自分が80万で見積もりをしたキッチンは、大手ハウスメーカーを介すと、その金額の2倍も値段が化けてお客さんのもとに見積もりがいくそうなのです。

家づくりで度々思うことは、「坪いくらですか?」と金額だけを聞かれる方がいます。しかし金額だけ聞いたところで本当は何も分からないという事。本当はその中身を知って金額を知ろうとしなければ何ひとつ見えてこないという事。結局、家はキッチン台のようなひとつひとつの積み重ねでトータルの金額が出てきますから。「どういった中身の家なのか?どういった仕様なのか?」といった中身を聞くことがまずは最初のはず。それなくして金額だけ聞いて家を建てたら中身がなく、宣伝費や広告費にお金を寄付したような家を建ててあげたという事になりかねません・・アンパンマン

さて今回は指物技術による無垢材のキッチン。指物技術であるからこそできる、合板を使わず身体に有害な接着剤を使用しない無垢キッチンなのです。昔ながらの技術というのはスゴイでしょ手
だからこそこういった技術をなくしてはいけないという事。便利さや、効率性や、生産性だけで切り捨てられてきた物づくりの世界です。家具だけに限りません。先に書きましたように私たちが何を生かし何を捨てて、どういった社会にしていこうかといった事に繋がっていくのです。

シンクも綺麗でしょ。全て職人たちの手づくりです。
安易にメーカー品を買うと、そこにあるこういった職人さんたちの技術が育まれない、しいては無くしていく事になるということを知っていただきたく思います。
あと、便利さや完璧さを求めないこと。今の人は経年変化しない不具合がおこらない物を求めます。しかし自然素材のキッチンは扱いひとつで問題もおこします。木のソリも自然の出来事のようにおこってきます。そういった自然を認めない人たちが多くなってしまった結果、不具合の起こりにくいソリも出ない合板へと変わってきたというのが合板普及の理由のひとつでもあるのです。手がかかる子供のように大切に扱ってこそ長持ちします。楽で便利で掃除いらずでなんてことあり得ないのです。問題がおこったらすぐにメーカーの責任にするのも考えものです。
身体に優しい自然の素材はそういった扱いを心得てこそ使っていけると言えるでしょう。

さてさて完成です~ハート
テレビではまだ完成間近の映像でしたが、こんな感じで完成です。

収納量も抜群な食器棚付き手
ビフォー・アフターすると違いがよく分かります。

流れる空気感がまったく違うのが分かります。なんだか優しい空気感になりました。
物から放つ優しい空気。それは作り手の優しいエネルギーの現われだと感じるところ。。
木で作られた物だから・・というより、工場製品によって作られた物と、手づくりとでは何かここに目に見えない雲泥の差のエネルギーの違いがあるように感じます。
化学物質過敏症中度の患者さんもマスクなしでこのお台所にはいれたという事で、ひとまず合格のお墨付き手

さてここでお気づきの方がいるかと思いますが、室内は木の仕上げ。
いわゆる建築基準法で言うと火気使用室は内装不燃にしなければならず、本来なら不燃のボードもしくは木部は不燃塗料を塗って仕上げなければいけないところです。しかし化学物質過敏症の方はそういった範疇で物を選択できません。だからこの仕上げはいわゆる建築基準法違反となる訳です。
しかしこれは法の不備といえます。ボードを使えない人達だって存在するという事を、法サイドも理解をし法づくりをしなければいけないところであります。建築基準法違反という肩身の狭いところに化学物質過敏症者を追いやるのではなく、そういった人々にも対応した心遣いが法整備に必要ではないかと思います。

お役所の方・・、内装不燃、建築基準法違反、文句があるようなら言ってください。
建築基準法が定めるホルムアルデヒド濃度基準以内により、化学物質過敏症を発症してしまった方のキッチンです。まず責任を取っていただいてから、対応をさせていただきます手

こういった現状も皆様、知っておいてください。。
今後も、化学物質過敏症と住まいについてもお話をしていきたいと思います。
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