ベンガラの街へ。。。

 

島﨑です~。GW最終日にベンガラの街へ行ったお話です。。。
現在進行中のリフォームのお家で『壁をピンク色にしたい!』とのご要望。
漆喰とベンガラを混ぜ合わせることで柔らかなピンク色が出せることを知って、越智左官さんと理想のピンク色を求めてベンガラの街へ模索の旅に行ってきました!

ベンガラの街は元々は銅山で栄えた街で  
銅を掘る際に副産物で出てくる磁硫鉄鉱がベンガラの原料だそうです。
磁硫鉄鉱から長い工程を経て赤いベンガラの粉になります。
九谷焼や漆器などの紅色にも使われており、かなり高価なものでした。
しかし、時代が進むとともに国外から安価な銅の製品が出てくることで
銅山やベンガラが衰退していったそうです。

街並みでは壁や梁、柱、瓦などベンガラの赤に統一されています。
壁は荒壁、中塗りにも混ぜられ、瓦は石州瓦が葺いてあり
石州瓦を見ると勝手に親近感を感じていました。。。
(島崎:島根出身で地元の石見銀山の街並みの雰囲気に似ていたので。。。)

1件目に入った住宅で橋詰の目に留まったこのおくどさん。
越智左官さんも煙突が気に入ったよう!
左官仕事で製作できるおくどさん。
『作ってみたいですね!』とポツリと呟く越智さん。
『作りたいね!』と呟く橋詰。
二人でわくわくしている様子。
今後どこかでおくどさんの仕事が舞い込んでくるかもしれませんね。 

ベンガラの製造工程なども知れ、今まで知っていたベンガラがあらゆる物づくりで使われていることを知ることが出来ました。
それに以前に蔵の修復をしたこともあり、越智左官さんがいてくれることで、
細部の納まりなど今までとは違う角度で見ることもでき勉強になりました!

ベンガラ漆喰のピンク色のイメージや実際の風化した変化なども観察でき
野の草と越智左官さんの色のイメージを再確認できたこと、
漆喰だけでなく、中塗りにもベンガラを混ぜ合わせる事で柔らかい雰囲気を醸し出せることなど、
多くの学びがある濃い旅になりました!!

帰りにベンガラの粉を買ったので、どんなベンガラ染めをしようかなー。
と胸躍らせる島崎です。。。

そしてベンガラ村視察の旅から帰ると、さっそく越智左官さんがピンクの色見本を作ってくれました!
そしてついでに『こんなのも出来るよ~』という土とベンガラを材料にした見本も作ってきてくれました。左官さんと一緒にお仕事をするということはこういう風に無限な壁を再現できるということでもありますね。

野の草では建材として既に出来上がった漆喰を使用するのではなく、一から糊を炊いてつくって、石灰やスサを混ぜてという風に、材料をつくりだすところこそ左官さんの大切なお仕事と思っていて、越智左官さんと一緒に仕事をしています。
今の多くの左官材はメーカーさんの既調合品なので、それを便利に使用していたらいつかは左官さんの仕事を失っていくという想いからだそうです。越智さんも同じ想いの左官さんで野の草とは同じ方向性だから、橋詰といつも二人で色々と模索をしているようです。

そして、お施主さんにピンクのサンプルを見ていただきましたが、ピンクを追い求めた旅でしたのに『やっぱりピンクの漆喰ではなくて土を使った中塗り壁にしよう!』と話はあっさりと決まり、なんだかとっても可笑しかったです。
一見、遠回りしたような話ですが、でもこの回り道でいろいろと左官さんと野の草の引き出しが増えてたようで勉強となりました。
今の時代、回り道をする余裕がないのかもしれませんね。
野の草と越智左官さんはあえて回り道を愉しんでいるようです。
そういえばお施主さまも回り道を愉しむような方々ばかりですね。
これからの家づくりがますます楽しみです!

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