祝『小さな本物の家*O邸』建前!

 

待ちに待った『小さな本物の家』O邸の建前です!
一同関係者お清めのお酒をいただき、建て主Oさんの挨拶により建前がはじまりました。
伝統構法によるつくりは柱・梁・足固め・貫といった部材の組み立てで出来がっていきますが、その順番また差し口の順番がほんのすこし違うだけで組めなくなったり組みづらくなりますので、棟梁はかなり頭を使います。人によっては組手の順番を図板に記したりして建前にのぞむぐらい。
それだけ難しい。土台のある在来工法のように、土台の上に柱を落とせばいいだけなら容易いのですが、梁や足固めが柱に差さっていく伝統構法のつくりはやはり難易度が違うというのはその点にもあります。
また土壁の骨となる貫を同時に立て込んでいくのには手の数も必要以上にいります。この時ばかりは猫の手ではなくて、タコの手が借りたいほどです(笑)。

地上部で骨組みをある程度組み立てて建て起こすような方法もとり、土台のある在来工法の建前とはすこし異なる点かもしれません。

いつ見ても大工さんたちが手刻みした材を組み上げていく様子は感動モノの美しい光景です。
道行く人が足をとめて、しばし感動した様子で眺めていくのがいつもながらの光景でもあります。
そして「丈夫そうな家ですね!」と声をかけられることも度々で、金物や合板は使ってなくても丈夫な家というのは誰にでも伝わる何かがあるのかな?といつも思います。

建て主Oさんも「感動です!日本人ならみんなに見て欲しい!!」っと興奮気味の様子(笑)。
確かに・・効率や生産性や利益優先によって、古き善きものたちがどんどんと消えて無くなっていっている時代です。先人たちが培ってきた素晴らしいものがあるんだということを日本人みんなに知って欲しいですね♪
共感をともにできる建て主Oさんの言葉に、私も嬉しくなりました。

そしてこの二日間は、建前のお接待に施主さんも大忙しです。でも、これも一生に一度の事。
大きな人生の晴れ舞台でもあり、Oさんやご家族みんなで協力しあってお接待に精を出されてました。
施主さんにとってはこんなに大勢の料理をつくることも初体験です!
でもこういったお接待をとおして一回り成長していく、家づくりはそういった機会でもあるのかなと思います。

そして最終日の上棟。恒例になりつつある棟木にメッセージを書き込んでもらいました。
100年先まで届くかもしれないメッセージ。。
それぞれに想いがいっぱいあったようで、お子さんもここばかりは自分が書いた棟木が棟に納まる瞬間をずっと最後まで眺めていました。「家を建てるときにそういえば何か書いたなあ・・」と大きくなって思い出すかな?それがまたその子へ孫へひ孫へと言い残されて・・なんだか家の物語となっていく、100年先までもたせることができる伝統構法の家ならではのことかもしれません。

棟梁のおかげで何事もなく無事に棟があがりました!
上棟です♪
まずは棟梁に祝詞をあげてもらい、棟があがったことへの神様への感謝と安全祈願をしました。
そして屋根には梵天(ぼんでん)と、特別に棟梁が準備してくださった矢羽根が飾られました。
梵天は、中国の陰陽五行での万物の元素である木・火・土・金・水の五色の御旗。四方を守る四神の色とされ邪気を払う意味があります。
矢羽根は、東が鶴、西が亀の矢の形になっており、ちょうど凸凹が陰陽になっているようで表鬼門と裏鬼門の方向に配して邪気を払い氏神様を鎮めるものだそうで、初のお飾りでした。

さてさて、下では賑わいがましていました。まだかまだかのお待ちかねの様子。
久しぶりのお餅まきです!
これからお世話になるこの地域の方々へと、この喜ばしい事のおすそ分け♪
実はこれも上棟式の儀式のひとつで、散餅の儀となります。

この頃は餅まきをする事がめっきり少なくなったと言えますが、餅まきをしてご近所の方々が嬉しそうに楽しそうに帰っていく様子を見ると、やはりお餅まきってイイなと感じます。
工事期間中はご近隣の方々にはたいへんお世話になります。すでにご近所さんたちには温かく接して頂いて気持ちよく工事をさせて頂いています。またこれから長くこの地に住まっていく上での地域付き合いの始まりのような・・お金は少しかかるかもしれないけど、昔の人はこうやって家を建てることが出来るのも、多くの人に支えられ助けられ今があるから出来ることと考え、喜び事や富を自分だけのものでなく他者に還元させていくという意識があったようです。
良い事をひとり占めにする考えには災い(良くない事)があるという意味でもあります。節目節目にそういった礼儀を重んじてきたのが日本人であり、日本の伝統儀式や文化には、日本人特有の意識や心遣いや奥ゆかしさなどが反映されていてとても素敵で日本人として惹かれます。
お餅まきに参加するのは初めてという子供たちも多く、こういった文化をも遺してあげたいですね。

最後に一同で記念撮影をして、無事、上棟というこの日を終えました♪
気持ちよかったこの日のこと、一生心に刻まれることでしょう。
村上工務店さん施主様、どうもありがとうございました。

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