めっちゃ手づくり♪

 

『誕生と成長の家』の竹小舞搔きがはじまりました。
いままでは矢野左官さんが全部やってくれていた竹小舞搔きですが、矢野さん亡きあと、これからは建て主さんと新たな左官さんと野の草で協力して掻いていくことになります。
全部お任せでやってきた時には分からなかった気がつかなかったことが自分でやってみて初めて分かる事がいろいろです。
竹を掻くための藁縄の長さをある一定のほどよい長さに切るのにも、どのぐらいがちょうどイイ??なんて具合~(笑)
でも、腕を延ばして”1尋(ひとひろ)”という長さとプラス半分=1尋半がちょうど具合が良いと発見。
昔の仕事だからかm(メートル)といった単位よりも、体をスケールにした昔の縄を計る単位が、程よくちょうど按配が良いことに気がつき、それもちょっと一人静かに感動の私。


越智左官さんとは、都度都度に先人たちが遺してきた仕事の意味を考えながら、あーだこーだと話ながらの作業はとても楽しいこと。
それは矢野左官さんとは味わえなかったことです。(質問したら色々と教えてくれたけど)
縄の掻き方でもある螺旋巻きと千鳥巻きにも、新たな視点での発見を越智左官さんがしてくれて、とってもささやかな小さな事だけど、ひょっとしたらその小さな積み重ねの連続で壁の強度も変わってくるかもねという話になりました。それはそれで収穫物♪そして話は、荒壁土を寝かせるときの水の質について話は発展していって・・、次回に試してみるのも面白いねという話に。
単に壁を土でつくるというのではない、そこにひとつひとつ先人たちがこめていった”意味”というものを知りながら、この先すすめていくことが、ひとたび土壁を失いかけた私たち世代としてはとても大切な事ではないかと感じています。
それが出来る相手で良かったと、越智さんに心のなかで感謝しつつ♪


そして竹小舞を掻き始めてすぐに建て主奥さんが「めっちゃ手づくりや~♪こんなに手づくりとは思わなかった!」と感動されて出た言葉に、思わず爆笑してしまった私♪
そう、建築現場は専門職だけの仕事・・・というのではない、素人にでも踏み入ることができる世界なのが昔ながらの家づくりでもあります。
昔はご近所・親戚などが手伝いにきて協力し合って出来上がった家づくりが伝統構法の家なのだから♪
むしろそういった協働作業というものを家づくりの現場にとり戻していきたいところ。そこが昔ながらの家づくりの本当の良さでもあるのだから。

触れることで感じることは本当に数え切れず。
私自身がこの家づくりで感じ感動しいろいろと気づきをあたえられ変わってこられたのも、触れること体験することができたからこそ。せっかく一生に一度の一大イベントの家づくりをするのだから、建て主さんにこそ味わってもらいたい醍醐味!
今の時代、この一番の醍醐味のところを全部おまかせなんてもったいなさすぎです・・・(まあそのほうがビジネス的には楽かもしれないけど)
『誕生と成長の家』も、もっとたくさん人を集めてワイワイと”結い”でしたかったのだけど、コロナ禍の影響もあって今回は内輪だけ。でも今後はどんどんと皆で楽しんで協働作業をしていきたい~!

竹小舞搔きをとおして、どんどん強くなっていっている建て主さん。
奥さんはノコギリがうまく使えるようになったと大喜びの様子だし、確実に力がついていっている♪
現場をチョロチョロとしている小さな甥っ子さん、私もそうだったように、きっとこの光景が脳裏に焼きついていて大きくなった時に何か芽生えるかもしれないなあ。なんて、そんなことを考えるととっても楽しくなります。
そして仲睦まじいオシドリのような建て主さんの光景からは、幸せ感がこぼれていてこっちまで幸せに♪
一緒になって育てていっている幸せな家、着々と出来上がっていっています♪
現場見学可能です。ぜひ♪

Youtube動画↓『誕生と成長の家』竹小舞搔き①

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