土壁の時間。。

 

荒壁の期間中、ただ何をするでもなくじっくりと乾燥していく土壁を見守る期間があります。
現代の家づくりとは大きく異なる、時間の流れ方。
乾燥機で乾かす訳ではないので、ただただ自然の風やお天道様まかせとなります。
効率や仕事の省力化を追い求め、一分一秒の時間を惜しいと感じる時代ですが、土壁だけはそうもいかない。現代の技術を使えば、瞬時に乾く土壁材も開発できそうですが、それでもやはり土壁は人の手や技術がいる仕事。今の時代には手がかかって非効率なので、そんな商品も出てきません。
まあ、素性の知れないケミカルを使って瞬時に乾く土壁が出来たとしても、そこにはすでに土壁の心地よさはないから、やっぱりただ待つだけのこの時間が欠かせないと言えます。

生き物たちを育む母なる大地の土、そこに風やお天動様のエネルギーが加わって、はじめて心地よい壁になるのかもしれません。
ただただジッと待つ。
このかけがえのない時間に、大らかさを学ぶような思いがいつもします。。

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