小さな学習机の物語。。

 

古くからの友人の依頼で、中学生となる息子さんに学習机をつくってほしいと頼まれました。。
インターネットで気に入っている机があるのだけど、息子の入学祝いに、ネットでポンと購入するのも何か違うなと違和感を感じてのこと。
せっかく設計士さんが知り合いなのだから、自分たちのつながりのなかで息子の机をつくりたいと。
ネットでお気に入りの机を、無垢材で造るため息子さんの要望をそえつつ設計図を起こしなおし、そしてちょうど野の草の事務所机でつかった胡桃材が残っていたのでそれを使う事に。
今回は大工さんに製作を任せたいとの事で、いつもお世話になっている家守屋さんに造ってもらうことにしました。


(大工さんのFacebookより写真を拝借)

素人さんには分からないかもしれないけど、大工さんと家具屋さんでは仕事が違います。
家具屋さんがミクロに製作するのにたいして、大工さんはマクロに仕事をしていく職方なので、繊細な家具となると、道具も違うなか大工さんには手馴れない仕事です。「家具屋さんのようには・・」と念押しされる大工さんに、予算も限られるなか無理を承知でお願いをしました。
でもやっぱり細かい仕事の連続が家具。予算的にもオーバーしつつも、一生の机だから細部にまで手をかけてくれた様子がわかります。

机が出来上がってきて、そのまま配送することは簡単だけど、それでは製作依頼してきた気持ちに応えられないので、野の草まで息子さんと机を迎えに来てもらうことにしました。そしてそのついでに自分たちの手で最後のオイルを塗って仕上げる作業をしていただく事に。
これから長くつき合っていく机、大工さんのように製作には関われないけど、出来るだけ自分たちの体を動かして『つくる』という一端に関わってもらいたくて。。
胡桃の材を選んでいる様子や、大工さんの製作途中の様子なども写真報告しつつ、「自分の机ができる様子」を届けて。
それが、ポンとネット購入する物とは違う、長く一生つきあっていく机との掛け替えのない大切な思い出となっていくから。
白木だった家具にオイルを自分の手ですり込むと、トタンに木が喜び始める様子が体感できます。
「木は正直者だから使い方ひとつで変っていくんだから。。」
息子さんにとって、初めての自分の家具。木とのおつきあいとなります。
木を好きになって欲しいし、手をかけてつくってあるものに喜びを感じてもらえれば、これも野の草の種まきです。

連れて帰ってもらって居場所を与えてもらった学習机。
末永く彼のもとでお幸せに♪

 

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