唯一の竹屋さん

 

愛媛県唯一の竹屋さん。
山田さんの作業場を見学しに行ってきました。

野の草設計室の家づくりに欠かせない土壁。
その土壁の基礎となる竹小舞。
普段では中々見ることの出来ない部分の竹小舞ですが。。
骨組みである竹小舞が無ければ土壁は出来上がりません。

その竹小舞を搔くために必要な竹。
竹といっても竹小舞で使われる竹は真竹を使っています。
やせた土で尚且つ日当たりの良い場所で育った真竹は繊維が多く丈夫なのだそう!
現在ではチェーンソウで竹を切っていますが、
昔はこの何倍もの量の竹を鉈(なた)で切っていたと伺いました。すごい!
そして、山田さんがまだ幼いころは山で竹を取りに行く職人さんと
作業場で竹の加工、竹細工など、30人ぐらい職人さんが居たそうです!!
今では山田さんともう一人、2人で山の竹を取りに行くそうで、
13、14mもする竹を切り、作業場に下ろしてくるそうです。
圧倒的な竹の迫力!!
この量でもかなり少ないそう!

竹小舞で使われる小舞竹は大きな径のものより細い径の竹を使います。
割った後の竹の形状が少し丸みを帯びているのがポイント!
そうすることで竹と土が絡まりやすく、竹もしなりにくく強い土壁が出来上がります。
今では機械で竹を割って小舞竹を作っていますが、
昔は鉈(なた)を使って竹を割っていた時代もあったそうです。
まっすぐ割れるように、割る作業にもコツがあるそうで、
節がポイントになるそうですが、職人さんが簡単にする作業こそ難しいのです!
その話を聞きながら、やってみたい衝動に駆られた島崎です。。

最後に、竹のお話を聞いて、
『割り竹は竹小舞だけでなく熊手、落とした枝は竹箒になっていた。
竹は本来捨てるところが無いんだよ。』
と山田さんが言われた言葉が印象的でした。
というのも、現在は使い捨ての物がありふれていますが、
昔の人は無駄なく物を使いきり、そして物を大切に扱っていること、
自然に還ることの出来る材料を使い生活を営んでいたのだと昔ながらの家づくりを通して
つくづく思います。
そこから日本人のもったいない精神は作られていたのだと感じます。
しかし、この精神はだんだんと薄れていると思います。
それは、職人さんも同じように、
昔ながらの家づくりに欠かせない職人が少なくなり、
竹屋さんに関してはこの山田さんだけとなっています。。。
より多くの人に昔ながらの家づくりを体感してもらい、
それを切っ掛けに職人を目指す人が1人でも多く増え、
昔ながらの家を建てたいと思ってもらえたら。。
そして、日本人のもったいない精神を今一度考えなければ!と思う島崎でした。

山田さん。
突撃訪問だったにも関わらず、親切丁寧に竹の事について教えていただき、ありがとうございました。

関連記事

PAGE TOP