CSさんの屋根改修。。

 

化学物質過敏症(CS)さんから、老朽化したセメント瓦の屋根の雨漏り相談。
新築の家を建てたことによって化学物質過敏症を発症したIさん。
その避難先の住居でもある家の雨漏り。
一般的にはセメント瓦は塗装替えで表面皮膜をつくって耐久性をとり戻すことができ、それが一番安価な方法だけど・・。
でもCSさんにとっては体調不良をおこすような選択になります。
塗装をしてしまえば、せっかくの避難住宅がいっきに汚染住宅になってしまうから・・。
そんなことから相談をうけた屋根の雨漏り改善依頼。

化学物質過敏症であることから、コーキングひとつ使うことさえも容易に出来ない状況。
おのずと選択肢は限られてくるなかで、こればっかりは色々とサンプルに触れてもらってIさんにとってベストな解決策を探ります。
目でみえる表面だけに限らず、見えなくなる下地まで。
空気の流動によって、周辺の空気質を汚してしまいそうなものは綿密に検討のうえ検討を重ねます。

私には分からない化学物質をCSさんはサンプルから感じとっている様子。
「空気がモヤっとする」とか、CSさんにしか分からない表現。
瓦も安価なものもあるけど、日本瓦がやっぱり一番安心そう。ここは値段より安心。
難しいのはルーフィング。建材系のルーフィングはどれも×。
自然素材系のトントンも、樹種が杉以外に桧やヒバなども混合して作られているようで×。
杉皮は入手が難しく工期的に時間がなくパス。

結局かなり時間をかけて悩みに悩んでリスクもあるけどルーフィング無しという事で決定。
昔の家屋は今時のルーフィングらしいルーフィングは無かったから。
瓦屋さんも「本当は瓦の下に雨が漏らないように瓦を葺くものやけんね。」っと心強い一言。
我が家の古い瓦屋根も、野地の下からは瓦ごしのお日さんが射してきたりもするぐらい、ルーフィングなくても雨漏りしてない。
空気を汚染しそうなら体調優先で使わないという方向に決定。
ただ夏の暑さ対策をして欲しいとの事で、遮熱のアルミシートをすることに。
これが少しでも万が一のお守りになるかも。(※アルミシートはルーフィングではありません)

今まであちこち雨漏りで痛んで、修繕を繰り返し苦戦してきたようで、あちこち複雑な納まりになっていました。
そういったところをコーキングを使わず、雨が入らないよう、板金で修繕。
屋根屋さんも化学物資過敏症を理解して、無理難題に気持ちよくお付き合いをしてくれました。
雨漏りは無事止まり、CS難題も難なく。
Iさんは本当にホッとされたようで、何度も何度も改善されたことに感謝してくれました。
CSさんにとって避難先をみつけることさえ大変な時代、避難住宅として今までどおり居場所があるということは、私が想像する以上のものでしょう。
とても喜んでくださって、お役に立てて本当によかったです。。
※記事のなかで出てくるトントンを、杉材のみで作られているとのご情報を頂きました。
ご入用の方がいましたら、お繋ぎさせていただきます。

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