いよいよ『土間と風の家』の建前です♪
建て主さんがじっくりと腰を据えていてくれていたので、刻み仕事にしても基礎工事にしても、また限界耐力計算やサステナブル先導的モデル事業といった、新たなことにじっくり取り組め、このハレの日をむかえることが出来ました♪
このじっくりと熟成された成果が、この建前で形となってあらわれる日と言えます。
↑建て主さんからお言葉をいただき、建前がスタート
助っ人に来てくれた大工さんたちも、伝統構法の建前はこれで2~3軒目という人も多く心から任せられるメンバです。
それでもその都度組み方や納め方が違うので、何軒建前をやっても勉強になりますし、思ったのは、棟梁ごとに刻みや仕口の工夫などが違うので、そういった個々のところが大工さん同士お互いに学び合い盗み合い吸収できるのが建前なんだと感じたところです!
建前で良い仕事をたくさん盗んで吸収していって欲しいもの!
大石棟梁の刻みはいつも本当にピッチリしていて綺麗です。小口のゲジゲジはありえない(笑)
こういった面で棟梁ごとの性格や丁寧さがよくわかります。そしていくつか新たな仕口の工夫などがあり「なるほど」と感心させられます。頭がよくて先を読めないと大工は務まらないと感じるところです。
そして今回私のほうも仕口の検証をおこなって、ほぞの最適な加工としてさまざまな引き抜きなどの実験データを参考にしつつ、ほぞのサイズや穴の位置など要望をさせていただきました。こういった実験データものはどちらかと言うと設計者向きの仕事でもあります(笑)
最適なデータに大石棟梁のピッチリとした仕事があって今回、より粘り強い木組みを目指しています。
こういった事も建前を通じて手伝いに来てくれた大工さんたちの次の仕事に生かされると私も嬉しいです!
いろんな知恵を出し合い常に上をめざして検証していくこと、それが先人たちが遺した伝統構法の精神です♪
今回の建前で、私もまた学びが多く、次に生かしていきたいと思うことがいっぱいです。
上をめざす気持ちがあれば、常に上にあがっていく、道は開かれているという事かもしれません!
でもその気持ちがなくなれば、そこで止まってしまう(涙)
物づくりの世界は良くも悪くも正直と言えます。常に心技体。
心(精神)が先にきて、技につながり、形や体(家の形、システム、体制、流れ)をつくっていくのだと。
そして今回の建前、一般の方々にもたくさん見ていただく事にしました。
大工さんのしっかりとした美しい刻みや建て舞を。そして『伝統構法』という、今はあまり見られなくなった家づくりを、これからの世代の人に感じて欲しかったから♪
みんな心からワクワクして感動している様子が、こちらにも伝わってきました!
一日目だけでは見足りず、2日目も足を運んでくれる方もいました!
寒いなかにも関わらず何時間もずっと、家が組みあがっていく様子を見守ってくれ、この木組みの迫力に「スゴイ!」「こんな家づくりがあったのね!」の歓声♪
そして詳しい説明もしないうちから「この方法が本当はイイのよ」「丈夫そう!力強い~」と、その五感でフルに感じ出て来た言葉に、こちらのほうが勇気づけられました。
また見学者でなくても通りすがりの人さえも「わあ、すごいなあ」の言葉がポロッと出るからおもしろい。こういう一般の方々の反応ぶりが、きっと大工さんたちのやる気の支えになると思います。
誰もが心を動かされる伝統構法だから♪
大切なのは動物的本能での『感じる力』。
鳥が外敵や雨風から身をまもり安心な木や枝に巣をつくるように、私たち人間だって危険を察知する力や動物的本能で感じる力があること。その五感で感じる「この家なら少々の地震が来ても大丈夫!」みたいな絶対的安心感が本当は家づくりには一番大切ではないかなと感じるところ。頭でいろいろと考えすぎる現代だからこそ、本当のことを見失いやすいから、自分の力で感じて欲しい。
そして建て主さんもずっと私のそばで「あ~ほんと良かったこの家で」とこの自分たちの家づくりを噛み締め、何度も感動をしてくれていました♪
その言葉を聞けて私も建前を終えた大石棟梁と同じぐらい満足な気分♪
そして最後に思いつきではありますが、たくさんメモリアルして頂きました♪
棟木に100年先にまでのこる記念。家族の想い。(マジックがちょっと残念(笑) )
シンプルな願いがいいですね♪
そしてご自身の手でカケヤを持って、納めていただきました。
↑家族もその様子を下で応援しながらパチリ!
この2日間の建前、奥様が出産直後というお忙しいなか、お昼には旦那さん手作りの温かい料理が、みんなの体を温めてくれました♪
みんなの力でつくりあげた伝統構法の家と言えます。『土間と風の家』祝・上棟!
みなさん本当にお疲れさまでした。良い建て舞でした♪
『土間と風の家』これから1年掛けてじっくり家づくりをしていきますので、応援ください!
↑大工1年生の司くんも伝統構法の建前頑張ってくれました!良い経験になったかな!
最後に・・温泉チケット+バスタオル代、ビールにご祝儀をいただいた設計者。
温泉で汗をながし帰りの車で待ちきれずビールをあけて飲んで、
幸せ気分の良い疲れに車に揺られながら眠りについてしまったとさ♪ 建前お終い。。
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