急増中!化学物質過敏症。。

 

年明け早々、慌しい毎日が続いております私たち。
『ゆとりの家』も完成間近となっており、あと一息といったところです。

そんななか昨年末から・・化学物質過敏症の方のお住まいのリフォームをお手伝いさせていただいているのですが、今年にはいってからも・・キッチンをリフォームしてシックハウスになられた方のご相談や、化学物質過敏症者の避難住宅の建築などのご相談にのる機会がこの頃多くなっている次第。
建築に携わらせていただく者としては、事の深刻さを感じます。

キッチンのリフォームによってシックハウスを発症してしまったMさんは、化学物質過敏症の事も知っていて、自分なりに安全なリフォームに臨んだつもりでした。
キッチン台はクリナップのエコキッチンとやらのステンレス製タイプ。Mさんはステンレス製なら大丈夫!と考えて購入したようです。しかし納品されてすぐに肩こりや身体の痛み・目の痛み・倦怠感・吐き気・嘔吐・頭痛・鼻血などの症状が現れ始めました。キッチンのリフォームは400万円近いお買い物だったので、最初は少し臭いがしましたが我慢をすれば・・と無理をして使っていたそうです。しかし日増しに症状が悪化しはじめ、Mさんは自分の体調不良がキッチンにあるということに気が付きました汗

確かめてみるとステンレスだと公に宣伝されていたキッチンには、その下地材として合板が使われている事に気がつきました。もちろん合板とステンレスを貼り合わせるためには強力な接着剤も使用されていることでしょう。オールステンレスだと疑いようもなかったそのステンレスの天板の下地は全て合板だったのでした汗
ショールームに足を運び、その素材がステンレスなのかを確認したのでしたが、その下地材が合板であることまでは教えてくれませんでした。
特に食洗機を使用したときに、食洗機から発せられる熱で合板や接着剤から化学物質が揮発して、強い臭いを発し、その場にいられなくなりました。施工会社に問い合わせたところ「しばらくすれば臭いはなくなるだろう」と言う言葉が帰ってきました。身体が壊れるのが先か、臭いが抜けるのが先か、無責任な言葉だったそうです。
Mさんは化学物質過敏症を知っていましたし、まさか自分がそんなことになるなんて!思いもしてませんでした。でも化学物質過敏症のことを知っていたので、すぐに「なんとかしなくては!このままでは取り返しの付かないことになる!」と、すぐに動きはじめ私どものほうに知人伝いで連絡がありました。

すぐにお伺いしました。お会いした時、まだ納品後数日の真新しいキッチンというのに・・、そこは事の深刻さを感じさせる惨状でした。
最初はお電話で、なんとか天板だけを外して、合板なしのステンレスに交換できないかという依頼でした。現地で確認をしてみたところ、恐れていた通り天板だけではなく見えないキャビネットの底板や側板にも合板が使われていたのでしたアンパンマン そして同じくリフォームの際にキッチンとともに新たに購入したタカラのホーロー食器棚の下地にも合板が使われており、こちらも体調不良の原因となっていました。
メーカーや施工会社さんへの問い合わせなどで、疲れ果て睡眠もあまり出来ていないMさんは時に泣き崩れられました。昨夜からお子さんも鼻血を出したり体調不良を訴え始めたという事で、一刻の猶予も許されないという事を感じさせましたアンパンマン

涙ながらのお話を聞き、今後のキッチンの対処を話し合い。
すべて撤去してください。
それがMさんの出された答えでした。
健康には替えられない。
Mさんが反応するのは合板でしたが、疑わしき物は全て撤去することになりました。
キッチン台や食器棚とともに、悩んだ末に決めたお気に入りのタイルの壁や、新しいクロスの壁など疑わしい物が使われているその全てを撤去することに。
シックハウス症候群の段階であり、ある特定の化学物質を除去すれば体調もじきに元に戻ります。しかしこのまま合板等の化学物質に曝露をつづけると、坂道を転げるように体調は悪化し、化学物質過敏症に発展をしてしまうことになります。そうなるとあらゆる化学物質に身体が反応をしてしまい、日常生活そのものが困難となってしまうのです。
健康には替えられない。

今、Mさんはメーカーさんに表示義務を問いかけています。ステンレス製という事ばかりが前面に出て、その下地材が合板であるということがその影に消されてしまっているからでもあり、そのために起こった悲劇でもあるからです。
クリナップのこの商品は、国の基準値でいうF☆☆☆☆であります。ホルムアルデヒドが含まれていない訳ではありません。しかしF☆☆☆☆であれば、さぞ最高級の安全であるかのように謳っているメーカーには私も以前から疑問を感じずにはいられません。それはあくまでも数多くあるうちのたった一つ・・『ホルムアルデヒド』の基準値であり、全くホルムアルデヒドを使用していない表示『告示対象外』の商品とは異なるからでもあります。
メーカーは言います。
『クリナップでは人に優しく環境に配慮するため、シックハウス症候群の原因であるホルムアルデヒドの放散量が最も少ない基準値(F☆☆☆☆)の原材料を、すべてのキッチン・洗面化粧台に使用しています。』

『最も少ない基準値』という書き方は、消費者には誤解を招きます。『ホルムアルデヒドを使用しない物』もあるのですから・・!
こんな書き方されたら何も知らない消費者は、安全なんだ、と思うでしょうアンパンマン
でも世の中には1600万種類もの化学物質が存在して、毎年新たに数千種類もの化学物質が新たに開発されているんです!そして市場に出回る化学物資のなかで75%にあたるものについては、その毒性のテストの結果すら公表されていないのが現状なのです。
さらに!国は数多くあるたった13品目の化学物質しかその室内濃度の指針値を出しておらず、しかもその指針値はVOCの実態調査から合理的に達成可能な限り低い範囲で決定された、要するに経済活動に差し障りが出ない範囲という事でありますから、そりゃあ安全なんて二の次です。産業優先・経済優先の現状がみえてくるのですよね。
しっかりしなきゃいかんのは消費者サイドとなりますアンパンマン  ・・・の方
アンパンマン

これからの時代、こういったことがもっともっと急増していきそうな気がしています。
今後、化学物質過敏症と住まいについてもお話をしていきたいと思います。
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