木+竹。。

 

梅雨もあけ、いよいよ荒壁をつけるための準備にはいりました。
木組みの空間に、竹が加わります。この延々と自然の素材でつくられていく昔ながらの家づくりに魅せられ今の私たちがあります。今時の家づくりなら断熱材を詰めて石膏ボードを張る準備をしている頃でしょうか。
見ていて目にも心地よく、体感的にも清々しい。。
初めてこの家づくりを体感した時に「ああ、どこまでいっても綺麗やな~。」と、魅せられてしまった訳です。今時の家づくり、建築途中の断熱材を入れたり、石膏ボードを張ったりしている様子を「綺麗やな~」なんて見れないですものね


現場にはそれぞれの用途に合わせた竹がはいっています。竹を掻くための縄ももちろんビニール縄ではなく、自然の素材の藁です。
間渡しに使われる女竹も太さの大きい物と小さい物があります。主に荷が掛かりやすいヨコ間渡し竹に太い女竹を使用します。私の指以上にあるゴツイ女竹ですね。そして貫の外側にくるタテ間渡し竹はヨコと比べると小さい。

見るからに丈夫そう。。
職人さんたちの本来の仕事って、そこにひとつひとつ智恵があります。ただなんとなく・・という訳ではなく、長く丈夫に持たせていく為にとか、腐らないようにとか、そこに意味があるんです。
この事『意味があるつくり』である事に、昔ながらの家づくりを始める前の私にはカルチャーショックでありました。今時の家づくりで意味のあることは少ないですから・・ いえ、むしろ意味に反したことばかりが目につきます。
意味とは、自然の道理、自然界の摂理にそうための理という事です。先人たちの生み出した『意味ある形』に惹かれ始めた所以でありました。

我らが期待のホープまーくんです。頑張って左官やってますよ~
間渡し竹をしならせて穴に間渡しを納めていっています。柱に傷をつけないように加減をしつつ、かなり力もいります。でも力を入れすぎるとボッキっと折れるから加減が大事。

間渡し竹が納まった状態です。

ここに竹を割った割竹を掻いていきます。(「編む」と言わずに、「掻く」と言います。)

まずはタテの割竹から。先ほどの間渡し竹に割竹を藁縄で掻いていきます。
この時に藁縄は水で湿らせて作業します。水で藁が湿ることで縄がしなやかになります。
そして藁縄の編み方は、『千鳥掛け』をします。

これが「千鳥掛け」です。
縄の編み方は2種類あって。「螺旋巻き」と「千鳥掛け」。螺旋は縄を引っ張れば解けやすく、千鳥は交互に締めて巻いていくため解けにくい。これも「螺旋巻き」のほうが
簡単に縄を掻きやすく一般的なやり方ですが、より良い仕事をめざす昔ながらの家づくりは「千鳥掛け」をして頂いています。

そしてタテの割竹は下の構造材からは浮かすこと!
これは必須で、タテの割竹が構造材に引っ付いていると、重い荒壁土が付いて荷が掛かって沈んだ時に壁が弓矢のように膨らんでしまうから。沈みを計算しておいて、ほんの少しタテ割竹を浮かしておくんです。さすが!
ひとつひとつ意味ある仕事があるんですよね
昔ながらの家づくりは、そんな些細な意味ある仕事の積み重ねでできあがってゆきます

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