『つながる家+つなげる家』完成見学会&家づくり塾

 

先週の土日は建て主さんのご厚意のもと『つながる家+つなげる家』の完成見学会&家づくり塾を二日間にわたっておこなう事ができました。両日にわたって本当にたくさんの方々に来ていただき、ありがとうございます。
家づくり塾も早々に定員オーバーで、残念ながら参加できなかった方々本当にごめんなさい。またの機会にぜひご参加くださいね。

完成したお宅をこうやって見て触れて感じていただくこと、それが何よりの説得力をもって、木と土の昔ながらの家づくりの良さをお伝えすることができます。見学会では建て主さんもご理解のもと、手袋なしで触れていただいたり、お茶や珈琲などをゆっくり飲んでいただきながら、木と土の住まいの心地よさを体感していただきます。皆さん、とても穏やかにそれぞれが心地いい場所でくつろいでいらっしゃいました。

さて家づくり塾のほうは、1日目は昔ながらの家づくり・イロハ編ということで、『~木のコト、土のコト、草のコト 住まいの大切なコト~』ということで、私のお話しでした。
木や土や草など、その地にねざす自然の素材を生かすことで、人も環境も生かされること。農や食が住まいと密接に繋がっており、食が大事であること。地の素材をいかし、人をいかすことで、喜びが和(輪)になって循環していくよ、というお話しをさせていただきました。

どう伝えたら、伝わりやすいか響きやすいか試行錯誤です。いつも趣向をかえながらのお話しですが、家づくり塾1回目から参加していただいている方に「お話が上手になったね」と言っていただいて、胸をなで下ろしました。なんだか参加者さんにいつも見守られているような感じがする私ですね
でも2時間ずっとしゃべりっぱなしの後は、いつも喉が痛くなります

二日目の家づくり塾は、昔ながらの家づくり・大工編ということで、大工さんから見た現代の家ってどうなの? 先人達から受け継がれてきた大工さんの智恵や技を、小林建工の若棟梁・小林優斗さんとお弟子さんの長野くんに語っていただきました。
今回初の試みです!
これからの木の家をささえていくことになる若い世代に語っていただきたかった


緊張ぎみだった優斗さんや長野くんでしたが、始まってみるとなんのその!お笑いもあって、とても分かりやすく、”タメ”になるお話しとなりました。
実際のプレカット材を用意し、プレカットの何が問題であるかを知っていただいたりして、専門知識のない者にも「こりゃマズイでしょ」っと分かりやすい体感で感じる内容。また大工さんによって手刻みされた金輪の継ぎ手の実物を、実際に目の前で込み栓を打ち込んで連結してもらいました。こちらも百聞は一見にしかず、一目瞭然でその強さを感じることができました。
こうやって目でみることで、プレカット材が金物に頼らなければもたない事、金物に頼るという事の弱々しさをヒシヒシと実感した次第です。

優斗さんいわく「今はデザインやシステムキッチンにばかりに目がいって、家の肝心なところに無関心では」と、大工としての叫びをあげました。長野くんは「こんなに素晴らしい技術がなくなるという事は、寂しいことだと感じませんか」と参加者たちに疑問をなげかけました。私もかげながらサポート。。


やっぱり大工さんの声には力があります。設計者が百回語るよりも「そんな家はイカンで」という大工の一言につきます。今の時代は、声を大にしてあげていかなければ本当のことが、メーカーの宣伝の前で打ち消されていきます。良い物がなくなっていくのはあまりにも寂しいですからね。
参加者さんたちからも、また次回も参加したい、建て前が見たいとの声があがりました。
またやろうね~!(優斗さん、長野くん

そしてこの二日間、参加者の皆さんには土壁の暖かさを感じていただきました。
それは私たち自身も驚くべき体感でした。
建て主さんからも聞いてはおりましたが、5寸柱につく土壁の蓄熱効果はスゴイ~!
薪ストーブを朝から5時間焚いておりましたが、熱くて午後の家づくり塾では室温24度!ストーブも稼動停止。その後、蓄熱された熱は逃げにくく、帰る7時頃も室内の温度は20度以上。
その翌日の朝9時、外気温7度のなか、室温は13度でまだほんのりと暖かい感じでした。薪の消費は、写真で写っている量、全部も使わないぐらいなのに~!
う~ん、我が家の薄々の土壁とは大違い!断熱材なしでも、しっかりと土壁をつければ、この効果
窓のほとんどは隙間があるとされる木製の建具なのに!適度な部屋の広さと、床下に土の断熱を施したのと、木製建具の室内側に障子を組み込んだのが、かなり効果が効いているようです。
参加者みなさんにも、しっかりと体感して頂いた次第です。。

完成見学会&家づくり塾が終わって、いよいよ『つながる家+つなげる家』の家づくりも終了です。
いつもながらなんだか嫁を出す親の気分
でも・・私たちの手を離れ、家族とともに大事にされ成長していってくれることでしょう。
家族を包み込みながら、家族の想い出をたくさん吸い込んで艶を放つようなお住まいとなることを、
設計者として心待ちにして、今度お伺いすることを楽しみにしております。。

どうも関わってくださった皆さん、ありがとうございました。。

追伸・早くも建て主さんからは「住まいだしてからの家づくり塾もやってくださいね」とお声が
楽しみに!

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