寒さもなんのその!

 

今年一番の寒さのなか『つながる家+つなげる家』では大勢の職人さんたちが最後の最後の器具付けでバタバタ。しかも完成間近なのに未だ窓ガラスがはいっていなくて・・超寒い~
昔ながらの家づくりの場合は、最後の最後に建具やガラスがはいるもんだから、いつもこのパターン。木の建具を他の職人たちが作業中に傷めないようにと、水を含んだ土壁の仕上げには、この最後の方までガラスがはいらないというのは理にはかなっているんだけどね。
「お引越し前にはよく換気をしてね」なんて言うけど、昔ながらの家は引渡し寸前まで、常に換気されていることになる。もちろん雨がはいらないようにと養生はしっかりとしてはいるんだけどね。

それにしてもこの時期、そしてこの場所は風がとてもよく通り抜けてくれる。なので半端な寒さではないのです。職人さんたちもブルブル。立会いの私もブルブルです
ガラス屋さんは、午後からの手配。それまでグッと我慢。


照明器具やコンセント・スイッチ、テレビアンテナや、給湯器、ガスコンロやガスオーブンが設置されていきます。それぞれに忙しい職人さんたちです。
設計者のほうは何をしているかと言うと、器具類などを手配したりしている関係上、最後の取り付け指示をしたり、設置確認などをしている次第。この頃は、完全に設計監理業務の枠から外れて、施工管理業務となっています。昔ながらの家づくりをやっていると必然の流れとなったんですけどね。


まあ、またこの話は後日。

雪も舞っていましたが、お日さんも時折射し込んできて木と土の家の心地よさを感じます。
面白いのが、いろんな職人さん達が家づくりに関わっていますが、一通り自分の仕事をし終えたあとには、お決まりのようにジロジロと建物の随所を感慨深く見て帰られる点。
職人さんだからあちこち色んな現場を渡り歩いておられる事でしょうが、本当に感慨深げに、しかも熱心に、時にはどなたかに電話をされて「造りが、すごいんでなあ」と誰かに熱弁をしていたりもするのです。ありがたい事ですね。色んな現場を見て歩いて回られている職人さんたちが関心をもってくれる家というのは一番にうれしいことではないかと思います

今日は、この近くの集落の方と言われるご老人が来られて、「生きている間にこんな建物が見られるとは本当に嬉しゅうございます」と・・「この建物は国宝級にしてもよい建物ではないかとずっと伺っておりました」と・・
ご老人は熱心に語りかけてこられましたが、恥ずかしいような嬉しいような可笑しいような話です。

たしかに今の時代、自然の素材での家づくりと言っても、そう簡単に見られることがありませんものね。『自然素材の家』とうたっていても外壁は何故かサイディングだったり、モルタル塗りの家だったりで・・
この家は特別な国宝級な造りという訳ではありませんが、昔ながらの素材で、昔ながらの職人さんたちの技術をつかってできた住まいです。ただそれだけの事。
でもそこから発せられる空気は、誰もを惹きつける本物の力があると思います。現代が失いかけた空気というのでしょうか・・それを感じるのです。きっと職人さんたちもそれを感じて暫し足をとめて魅入られている様子。やっぱり力があります。。
こういった住まいをなくしてはいけないといつも思うのです。。

午後からはガラスも入りだしてやっと家になってきたという感じ。
現場を監理している設計者としても、やっと風がさえぎられ安堵の心地です。
やっぱり風が強い日、雨の日など、心が休まりませんもの。。
あと一息で完成。
いえ、まだまだ。あとひと踏ん張りです

関連記事

PAGE TOP