だんだんと。。

 

『つながる家+つなげる家』は、今は造作工事中。
天井が張られ、壁の下地がつくられ、階段や食器棚などが少しずつ出来上がっていきます
柱と梁の構造体としての空間から、暮らすための場としての雰囲気が感じられるようになってきて、わくわくせずにはいられません
そう、大工さん達に伝えると・・
「良くなっていかんかったら、やっている意味がないもんね」っと言われてしまいました。
確かに、大工さんたちの丁寧な仕事があってこそ、良くなっていき、わくわく感がまします。今は、ひとつひとつ形が出来上がっていく姿に、建て主さんも一番わくわくしているのではないでしょうか。

洗面所と台所の天井が連続して見えるので天井板の目地が合うように、大工さんが気を利かして天井を張ってくれました
ちょっとしたところだけど気になる所です。ナイス
こういった些細な気遣いが出来上がりを左右しますね。
設計者があえて言わなくても、心遣い気遣いで、大工さん側でできる配慮がありますからね。そういった仕事を目にすると、こちらも嬉しく思います

さて、今回の階段はかなり面倒な納まりです・・
(上の写真で一般的な納まりと違うのが、分かる人は分かるかな?)
小さな住まいを最大限有効に利用するために、階段下もトイレや収納として隙間無く利用しています。そのため階段は上からも下からもオール見える造りで、気が抜けない大工さんなのです・・。
大工さんの一般的な階段の納まりは、下が隠れる造りです。
今回は大工さんにとって初の納まり!かなり大工泣かせの納まりで、何度も何度も確認しながらやってくれていました。出来上がりが楽しみです~
面倒な設計者の注文。でもこれも経験のひとつですね。
大工さんの概念を覆すような仕事も、時に、あらたな可能性探しのようなもの。。
先人たちも常に、新たな可能性をもとめて、果敢に挑戦してきたのが家づくりです。
時に遊び心もあり、時に危うい時も、でも必ずそういった経験の積み重ねで職人たちは可能性を探り成長してきたのではないでしょうか。。


こちら小林建工さんは生粋の日本建築をつくられる大工さんです。
だから時折、摩訶不思議な設計者の納まりに、?となることも時折あるようです(苦笑)。
そこはお互いに話し合って、こちらの意図を伝えます。また大工さんも大工さんの考えを聞かせてくれます。互いの考えが調和する時と、またそうでない時もあります。
納まりディティールは、その住まいの雰囲気を決定づけるほどの要素であります。小さな些細な納まりが全体の空間の空気に影響するのです。ボテっとするか、すっきりとするかは、小さな納まりの積み重ねできまっていきます。
日本建築では、おおよその納まりが決まっています。だから大工さんたちがつくる建築は、やっぱり日本建築風の薫りが漂ってきます。そこを少し現代的にしていくために薫り付けをかえることを設計者は意図的にします。大工さん的には、いつもの概念から外れた納まり・・困惑もあるようです(笑)。
また私の方も大工さんの固定された概念に戸惑うこともあります(笑)。
お互いのやり取りから、伝統を遺しつつ、これからの時代にもとめられるような新たな形を探し求めることを、やっていきたいと思っています。

今の大工さん達が造る日本建築と、先人たちが造ってきた日本建築とでは、薫りがちがうように。その時々で変わっていくのが家づくりかもしれませんね。。
生粋の日本建築をつくる大工さんと、スタイリッシュでモダンなものも嫌いではない設計者とのコラボから生まれてくる新たな日本建築のスタイルが楽しみでもありますね。。

特にこちら小林建工さんは若い大工さんたちも多いから、これからの若い人たちにも受け入れられる日本建築をお互いに探っていきたいな~と思います。。

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